街のファザード
街区の見かけの外皮と言えば、わかりずらいかもしれませんが
ヨーロッパの石畳や石造りの街並みが一定のデザイン規範があることで
家1戸だけのデザインではなく、統一された街並みがあることを
街のファザードと表現します。
ファザード=外壁と理解される方もありますが、
地域独自の街並みの外皮と捉えるほうが価値が分かりやすい。
なぜならそれが旅する者にとって非日常のファザードが
異国感を演出する空間になるからです。
旧街道、町屋づくり、武家屋敷などは
経済や身分に規制がありそれを守った歴史が空間となるのですが
戦後の自由な建築のおかげで
日本のファザードは何なのか分からなくなりました。
各々が好きなように家を建て(まあ自由の象徴でもありますが)
街区に雑多感しかなくなり、それでも経済的に裕福な間は
各々の主張があったのですが貧しくなり、
財務省が固定資産税を取るためにいろいろな理屈をつけ
ファザードの形骸化は止まることを知りません。
永らく自分の家の外装は何が理想か分からなかったのですが
腰壁、漆喰壁、5寸のいぶし瓦、木製建具、入り口や坪庭の樹木の
組み合わせを日本のファザードとし自宅を夢見ようと思います。